So-net無料ブログ作成
検索選択

耕治人のこと [雑談]

インドネシア語とは、まったく関係のない話です。

耕治人(こう・はると)の「そうかもしれない」が映画化された。

母が、新聞を見て「この映画って、あの本じゃないの」と教えてくれた。
私は、10代のころ、日本の現代文学ばかり読んでいた。たぶん500冊は読んだはずだが、もしかしたら、ナンバーワンはこの作品かもしれない。
私が唯一持っている日本の文学者の全集が「耕治人全集」である。

今どき「耕治人」の名を知っている人はほとんどいないだろう。

1906年生まれ。
1930年 処女作品集「耕治人詩集」。
1970年 「一条の光」で読売文学賞。
1973年 「この世に招かれてきた客」で平林たい子文学賞。
1980年 「耕治人全詩集」で芸術選奨文部大臣賞。
1988年没。「耕治人全集」全7巻刊行。

生涯で出した本は、全集・再版を除いて18冊。生前はほとんど注目されることはなかった。

彼の作品を一言で言えば、「私小説」と言うことになる。
「そうかもしれない」は、「認知症の妻を描いた老人文学」ということになろう。
そんなくくりなどどうでもいい。
淡々とした筆致による、圧倒的な迫力。
ともかく、読んでほしい。
とは言っても、入手はきわめて困難。
手頃なのは「一条の光/天井から降る哀しい音」(講談社文芸文庫)だが、品切れ。映画化で再版されるかな。
「耕治人自選作品集」(武蔵野書房)がよくまとまっている。晩年の「そうかもしれない」は未収録。

ブログによって、全世界総私小説化とも言うべき時代になった。
私は、このブログで、今までほとんど私自身のことを書かなかった。
たぶん、これからも書かないだろう。
フィクションの場合、文章力がなくても、話の内容がおもしろければ、それなりのものになる。
しかし、私小説では、本物の文章力がないと、なにタワゴト言ってるんだと、だれも相手にしてくれない。
実際、ブログの99%は、だれにも読まれないし。
だれもが「私小説のようなもの」を発表する時代になって、「私小説」のすごさがあらためて認識されるかもしれない。

なお、私は映画には興味がないので、見るつもりはありません(笑)

(蛇足)

もう一人あげるとすれば、八木義徳ですね。
もちろん、私小説しか読まないわけではないですよ。村上春樹も大好きです。


コメント(3) 
共通テーマ:資格・学び

コメント 3

球堂

「そうかもしれない」の保坂監督のHPのお手伝いをしているものです。
原作をここまで高く評価しているとはびっくりしました
映画には興味ないとの事ですが予告編だけでもどうぞ
雪村いづみさんが本当に熱演しています
by 球堂 (2006-10-06 13:14) 

jaman

>球堂 さま
コメントありがとうございます。

予告編を拝見しました。
やっぱり、イメージとだいぶちがうなあ、雪村いづみのヨシ夫人は。
桂春團治は、耕さんのイメージがよく出てるんじゃないかな、なんとなく。
(もちろん小説の中のお二人しか存じませんが)

いや、必ずしも悪い意味ではないです。私のような、狂信的?耕治人ファンには違和感がありますが、映画というのはべつに原作どおりでなければならないわけではありません。
忠実に描いたら、絶対売れませんし(笑)
これはこれでいいと思います。耕さんもきっとお喜びだと思いますよ。

かげながら、映画のヒットを心よりお祈り申し上げます。
by jaman (2006-10-06 22:22) 

俺

はじめまして、こんばんは。
「淡々とした筆致による、圧倒的な迫力」
というのは確かにおっしゃるとおりだと思います。
映画は映画でまた良かったですよ。
by (2006-10-19 01:19) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。